ビスマスという金属の認知度ってどのくらいなのでしょうか?
ハンドメイドなどされてる方は「ああ、あれね」と思うかもしれません。
知らない方に説明すると、ビスマスとは
こういう金属です。
結晶の形が綺麗ですが、これは敢えてこの形に加工したものではなく、溶けて固まるときに自然にこの形になるのです。
そして特有の虹色はビスマス本来の色ではなく、酸化膜によるものだそうです。
この金属は融点が271度と低いため自宅での加工が可能です。
筆者は↑の写真のようなビスマスの結晶を作ってみたくてビスマスのチップをAmazonでぽちったのですが、ものの見事に失敗しました!!
その原因をこの記事で書いていこうと思います。
以下、加工手順です。
準備したもの
・鍋
・トング
・熱い物を乗せても平気そうな盆
・ビスマスチップ
この「鍋」がキーアイテムとなってくるのですが……詳しくは後で書きます。
ビスマスを入れた鍋を熱する
ビスマスチップはこんな感じ。見た目よりもかなり重たいです。
さて、早速ビスマスを溶かしたいのですが、どこで溶かしたら良いのでしょうか。筆者は普通に台所のガスを使ってしまいましたが、もしかすると、あまりに高温になるとガスに引火する可能性があり若干危険?なのかもしれません。
ボンベタイプの小型コンロは本当に危険らしいのでやめましょう。
となると、電気コンロが最も適しているのでは?
完全に溶けるまで待つ
トングで突っつきつつ、ビスマスが溶けるのを待ちます。
この時間がものすごーーーーーく長かったです。
溶けてきた溶けてきた。
だいぶ液体になってきました!
結晶を取り出す
↑の後、完全に溶けたのでその状態で結晶をとりだそうと試みます。
どこに結晶が生成されているかわからない以上、勘だけが頼りです。
ここだと思ったところをトングで掴んで取り出します。
中々コツが必要らしく、最初の内は中々上手くいかないそうです。
例に漏れず、筆者も最初は上手くいきませんでした。
ですが、できなかったのならばもう一度溶かせばいい!
ちなみに一度溶かして、半分固まった時の鍋の様子。
ところどころで微小な結晶が生成されているのがわかります。
ただ、この時点で既に取り返しのつかないことになっていたんですよね……。
再度加熱。あれ?溶けない……
ここで異変に気付きます。
今度はいくら熱しても溶けないのです。
同じ金属だから溶けないはずはないのに……。
そして終ぞ溶けることなく、この日の実験は終了しました。
最終的な状態は↓のようになっていました。
結晶もほとんど無いし、色も銀色で、なんだか別の金属みたいになってます。
失敗の原因は「アルミの鍋」
失敗の原因をぐぐってみたところ、心当たりのあることが一点ありました。
「アルミの鍋」です。
高い鍋を使い捨てにするのもなんだか勿体ないなーと思い、百均のアルミ鍋を使用していたのです。
さて、なぜアルミ鍋だと駄目なのでしょうか。
それは、「アルミニウムがビスマスに溶けだして、結晶性や発色が損なわれてしまうから」だそうです。
つまり、アルミとビスマスが混ざって合金になってしまうということですね。
なるほど、2度目に熱したときに溶けなかったのは、アルミニウムと結合した結果、融点が上がってしまっていたから……。
なんてこった……。
筆者のもったいない精神が仇となって、ビスマスチップ+鍋をまるっと無駄にしてしまった……。自宅合金してしまった……。
というわけで、教訓。
失敗したくなかったらケチらずにステンレス鍋を使いましょうね!