〜あらすじ〜
友人などに勧められ、とうとう墨香銅臭先生の『魔道祖師』に手を出してしまった筆者。一体どうなってしまうの!?
『魔道祖師』、これが本当にめちゃくちゃ面白い。BL作品という枠に囚われない味わい深さがありました。
その世界観や、緻密に張り巡らされた伏線や骨太なストーリーに引き込まれるかのように、実写ドラマから始まり、原作、アニメ、漫画版、ラジオドラマなど、日本に未上陸のメディアミックス含む関連作品群たちを次々と視聴していきました。
そうしているうちに、気が付いたらふんわりと中国語が理解できる程度になっていたため、中国語版のTOEIC的な位置づけである語学試験、「HSK(漢語水平考試)」を受けてみることにしました。
HSKとは
HSKは中国政府公認の資格で、日本国内のみならず、世界中で公的証明として活用できるそう。CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠組み)という基準に準拠して設計されているため、他の語学検定と比較がしやすい。
……らしい。
元々、趣味的な意味でも、これからの時代における必要性的な意味でも、中国語は何らかのタイミングできちんと学びたいと思っていたのですが、このように勢いだけで受験することになるとは思いもよりませんでした。人生わからん。
HSKのレベル
HSKのレベルは以下の通り。(HSK公式サイトより)
1級
語彙量は150語ほど、「中国語の非常に簡単な単語とフレーズを理解、使用することができ、具体的なコミュニケーションを行うことができる。中国語学習するための基礎能力も備えている」レベル。大学の第二外国語1年前期履修程度。
2級
語彙量は300語ほど、「身近な日常生活の話題について簡単で直接的な交流ができ、初級中国語の上位レベルに達している」レベル。大学の第二外国語1年後期履修程度。
3級
語彙量は600語ほど、「中国語を使って、生活、学習、仕事等における基本的なコミュニケーションができる。中国旅行の時も大多数の場合において中国語で対応することができる」レベル。大学の第二外国語2年前期履修程度。
4級
語彙量は1200語ほど、「幅広い範囲にわたる話題について、中国語でコミュニケーションをすることができ、中国語を母語とする者と流ちょうに話すことができる」レベル。大学の第二外国語2年後期履修程度。
5級
語彙量は2500語ほど、「中国語の新聞や雑誌が読めるだけでなく、中国の映画やテレビも鑑賞でき、さらに、中国語でスピーチすることができる」レベル。週2〜4の授業を2年間習った程度。
6級
語彙量は5000語かそれ以上。「中国語の音声情報や文字情報を不自由なく理解することができ、自分の意見や見解を流暢な中国語で口頭または書面にて表現することができる」レベル。
英検などとは違って、数字が大きくなるほど難易度が上がっていくのですね。
完全に初学者だったので2級からかなと思いましたが(日本人は最初から漢字を使うので1級だと簡単すぎるらしい)、今回は歯応えを求めて3級を受けることにしました。
筆者が今回やったこと
勉強の仕方には人によって向き不向きがあると思うので、あくまで参考までに。
改めて文章化してみると、あれ?なんか意外と勉強してる感あるな……と思うのですが、実際にやってる時は勉強感ゼロでした。
こちらの記事も参考にどうぞ。↓

1.字幕版のドラマを見る
ぶっちゃけ何も考えずに50話見ました。見る前の時点でわかる中国語といえば、「我」「你」「謝謝」「対不起」くらいでした。ただ、ドラマを観る中で何度も出てくるフレーズは自然と頭に残りました。
2.メイキング映像などで出る字幕を書き取ってみる
メイキング映像で出る中文字幕などをとりあえず丸写しにして、どの単語がどの日本語に対応しているのか分解してみました。
話し言葉は書き言葉に比べて構造が単純なので、初心者でもとっつきやすい方法だと思います。
3.和訳版のメディアミックスを履修
とりあえず原作を全部読み、ラジオドラマを聴きました。おもしれ〜!!
4.本国版アニメを見る
和訳版の原作を完走、和訳版のアニメを観た後で、本国版のアニメを最初から視聴しました。
字幕が出るので「何言ってるのかなんとなくわかる」程度の状態で観れます。漢字って本当に便利なツールだなぁと。
また、物語の流れは頭に入っていたので、字幕の理解度が低くても多少は推察することができました。
5.本国版ラジオドラマを聴く
音だけになるため、アニメよりも難易度が高くなります。が、物語の流れが以下略。コメントをオンにして見るとネット用語的な言葉も知れてお得(?)です。
6.本国版漫画を読む
わからない単語を確認しつつ読み進めました。擬音なども日本語と全然違って興味深いです。
7.原作を自力翻訳で読む
ネット上の中国語辞書とGoogle翻訳を駆使しつつ、繁体版の原作1巻を無理やり読みました。(和訳版という答え合わせがあるのでまだ楽)
これは筆者が学生時代に外国語を勉強する時によくやっていた方法なのですが、読みたい文章のコピーを取るか写真を撮るなどして、「この単語は〇〇という意味」「主語はこれ」「動詞はこれ」「この部分はここの部分と対応している」などと書き込みながら読むととても捗ります。
繁体字と簡体字を結びつけるのも忘れずに。
最初は1日3行など亀ペースでしたが、文法や基本単語がわかってくると次第にペースアップできました。慣れてきたらコピーを取らずにそのまま読んでしまってOK。漢字なので、おそらく英語などよりも慣れるスピードが早かったのではないかな〜と思います。
基本的な文法は例の「東京外国語大学言語モジュール」の中国語の解説を見ました。これ無料なの本当に神かと。
8.HSKを受験すると決めてから→単語帳と文法書を見る
→こればかりは創作物内と現実世界で使われている単語に乖離があるだろうと予想できたので、受験を決めてから毎日少しずつ読みました。筆者は「キクタン」の中検3級レベルを使用しました。また、書写試験対策として文法書にも少し目を通しました。
Q.受験までの期間は?
A.ドラマの第1話を見てから約3ヶ月くらい
申し込み〜試験当日
申し込みは公式サイトから。クレジットカードが使えるのが嬉しい。
解答用紙に戸惑い
これは予習も何もせずに行った筆者が完全に悪いのですが、解答用紙の個人情報記入欄にとても戸惑いました(受験票に従って書けば大丈夫でした)。
変なところで冷や汗をかいたので、必要事項の記入などにも慣れておくとよいかもしれません。
HSK3級の問題形式
試験内容は、聞き取り(リスニング)、読解、作文に分かれています。
聞き取り
まず聞き取りは35分間。2回放送されます。
1.放送された内容と一致する写真を選ぶ
2.放送された短文と、問題用紙に書かれた内容が合っているかを判断する
3.短い会話と、その会話に関する問が放送され、答えとして正しいものを選ぶ
4.やや長い会話とその会話に関する問が放送され、答えとして正しいものを選ぶ
読解
次に、読解は30分。のんびりやっていると意外と時間が足りなくなるかもしれません。
1.短文に対して関連する文を選ぶ
2.文中の空欄に合う単語を選ぶ
3.短文の内容に関する問の答えとして正しいものを選ぶ
作文
作文は15分間です。
1.語句を並び替えて正しい中国語文を作る
2.空欄に当てはまる漢字を書く
試験結果
HSKの結果は約1ヶ月後にネット上で照会できます。
リスニング7割、読解10割、作文9.5割の出来で、判定は合格でした。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉、侮れません。
しかしやはり読解に偏った学習だったと思うので、合格ラインは超えているとはいってもリスニングは弱くなりがちですね。反省。
HSK3級を受けてみた:まとめ
何はともあれ、こういった結果に結びついたのは墨香銅臭先生のおかげです……。最近『天官賜福』も無事完走できたので(こちらも最高に面白かった!!!)、次は『人渣反派自救系統』にも着手してみようかと思います。

今のところ4級以上を受験するかどうかは未定です。が、なんだかんだ言いながらそのうち挑戦する気がする。